Top-page > 出会い情報News-top > News1 > News2 > News3 > News4 > News5 > News6 > News7 > News8

逆ナン部屋のシステム知らない男性と2人きり、魅惑の密室に25分

どういう相手を探しているか、という欄もあり、そこには「彼女・友達・飲み友達・わりきり・その他」などの選択肢がありました。

書き終えると、店員がポラロイドカメラで顔写真を撮ってくれるので、写真も付けます。そして、そのプロフィール用紙は店員の手によって店内にある掲示板に貼り出され、その用紙を見た女性がやって来るのを、男性はひとりずつ個室で待機します。

そして、女性客もプロフィール用紙に記入します。私も下記のように書きました

  1. 名前 あかね (取材の時使っている偽名)
  2. 身長 155センチ 体重 53キロ (ガチンコ勝負)
  3. 趣味 漫画を読むこと (ガチンコ勝負
  4. 好きなタイプ 優しい人
  5. 嫌いなタイプ 臭い人(みんなこう書いていたのでマネした)
  6. 性癖 (選択肢の中から、匂いにマルを付けた。実際は、匂いは苦手ですが)
  7. 探している相手 (友達にマルをつけた)

そして、女性のプロフィール用紙も、掲示板に貼り出されます。(女性は写真を貼らなくてもよい)

ようやっと、次のステップへゴー!これで準備はオッケーです。あとは、男性プロフィールを見て、好みの人を選び、その人の部屋へ訪ねます。男性プロフィールには部屋番号が書いてあるので、番号の部屋へそのまま行きます。

ちなみに、部屋に入って気が合えばそのまま2人でどこかに行くのも可能だし、相手が嫌だったら、「他の人とも話してみたいので」という常套句を使い、逃げ出すことも可能です。店内は明るい照明で清潔感があり、卑猥な感じは一切しませんでした。 女性が優位である、と言えます。女性が訪ねて来てくれないと男性は待ちぼうけで、その時間も料金が発生します。

ちなみに1時間半で6000円程度です。 やはりプロフィールの顔写真が大きなカギとなるようでした。ちなみに女性は、料金が1000円だけ。そして女性用待機室にはケーキやお弁当が用意され、無料で食べることができます。数十種類のマニキュアやたくさんの女性雑誌が置いてあり、それらも見放題、何時間いても、男性と知り合ってホテルや食事に行っても1000円ポッキリです。

同じシステムの出会い系のお店は都内に数十件あり、私は以前に別の逆ナン部屋を取材したことがありました。でも、その店は女の子が全員サクラ。しかしこのお店は、リアル女性客って感じでした。大人の事情で、中にはノンリアルも混じっているかもしれないが、リアルな感じの人もいました。 私が行ったとき個室は満室。4人の男性客が店外で順番を待っていました。

実際に私も男性の部屋へ…!

ここからが本番、私も男性の部屋へ入り、どんな感じなのかを体験しなければなりません。しかし、知らない人といきなり密室で2人きりになりに行くわけですから、なかなか勇気がいります。私がモジモジと掲示板を眺めていると、店員さんが、「この方は常連さんです。物腰の良いかたなので安心ですよ」と、『良介さん(仮名=32歳)』のプロフィール用紙を指差し、薦めてくれました。お店の店員さんは、私のことを「本当に出会いを探してきている人」だと思っているようです。

言われた通り、『良介さん』(友達募集中)がいる8番の部屋へ行くことにしました。「何を話せばいいのだ」と思い、かなり緊張しながら、ドアをノックしました。

「どーぞー」と、中から男性の声が聞こえ、軽い作りのドアを開けると、ソファに座った『良介さん』と目が合いました。その瞬間の、私の姿を見たときの、良介さんの、 明らかにガッカリした、落胆の表情!! 私は一生忘れません……。

あまりに露骨な嫌悪な表情だったので、驚きを通り越して笑いそうになりました。これが仕事ではなく、本格的に出会いを求めて訪れていたら、私はあの場で泣き崩れたことでしょう。そんな、表情でした。

だが、無理もありません。私はこの日、こういう取材だというのにジーパンにダボダボの紺ジャケットで出向いてしまい、もともと小太り体型なので、まるで紺色の布に覆われたダルマが入室してきたように見えたことでしょう。高いお金払ってんだもん、カワイコちゃんとウキウキトークしたいよね、それなのに紺色のドラえもん(大山のぶ代)が未来からやって来たんじゃ、落胆の色は隠せないでしょうね。

しかも、気の小さい私は、こういうどうしていいか分からない時に緊張がMAXになると、テンションが松野明美みたいになってしまう癖があるのですが、この時も松野明美テンションで入室してしまいました。紺色ダルマが松野明美だなんて鬼に金棒。いくらなんでも色気がなさすぎると自分でも思う。

良介さんの部屋に入る前、店員の人から、「入ったら、たぶん男の人から話しかけてくれますから」とか、「たぶん、エッチのお誘いがあると思いますが、嫌だったら出ちゃってください」と言われていました。

実際、良介さんの隣(40センチの距離)に座ってみましたが、良介さんは無言でテレビ(バラエティ番組)に目を向けたままでした。

20秒ほどシ~ンとした後、やっと良介さんは「こういうとこ、よく来るの?」と聞いてきました。

良介さんとの魅惑のやりとり

「今日、全くの初めてなんですよ~~。ええ~。友達に誘われたんですよ、友達にぃ~~」。私は松野明美テンションをキープして発言しました。というよりむしろ、松野テンションじゃないと話せなかった。全くなにも共通点ないもんね。

良介さんについて知っていることと言えば、良介さんはエノキじゃなくって、シイタケだってことくらいだもんね。良介さんの顔をよく見ると、若い頃(セーターを肩にかけてたころ)の辰巳啄郎に少し似ていて、どちらかといえば不細工ではなく、ハンサムでした。

前を見つめたままの良介さんは黙っていた。

  • 「ここはよく来られるんですかぁ~?」
  • 「んー。月に3回くらいかなー」
  • 「どうですかーどんな女の子いますかあ~?」

やる気のない良介さんは、答えるときだけこちらに少し顔を向けますが、すぐテレビを見ます。私は自分から話しかけないと、この気まずい空気に押しつぶされそうでした。必死に言葉を探し、すかさず質問を投げ続けました。

「女の子とはどんな話をするのか」と聞くと、「んーまあ世間話とか、女の子の愚痴聞いたり…あと、エッチな話だよね」

  • 「あ~エッチな話、いいですねー」
  • 「好きなの? エッチは?」
  • 「え、ああ~ 下ネタは大好きですけど、エッチ自体はまあ普通ですね」
  • 「ふぅーん。仕事何してるの?」
  • 「OLです。事務です」
  • 「ふぅーん」
  • 「ここで知り合った人と、実際ホテルに行ったりするんですか?」
  • 「んーまあ、そういうこともあるね。君は? 出会い系とかやるの?」
  • 「あ、私テレクラやったことありますよ、29だっていうから会ったのに、来たのはどう見ても50歳のしょうもないおっさんでしたよ」

私は仕事で体験した出来事を、さも、自らすすんで出会い系に励んでいる女のフリをして話し続けました。15分ほど、経過。

男性が普段聞く機会の少ないであろう女性の話を、良介さんに発表しました。良介さんが述べてきた意見には、手を打って、「そうなんです!分かってる男性もいるんですね!」などとオーバーに高反応してみせました。

良介さんはいつのまにか笑顔になっていて、こちらに身を乗り出して私の話を聞いています。 話し続けて、フッと沈黙が流れた瞬間、良介さんは私の目を優しい表情で見つめ、そして、「ちょっと、もうちょっとこっちへおいでよ……」と、私の肩に手を触れ、囁いてきたのでした。

個室でこっちへおいでと言われて

正直、すごく嬉しかった。こんな場所で、こんな話を自らしていれば「大丈夫」と思われて、口説かれるのは当たり前。でも、20分前にはこちらに一瞥もくれなかった人間の心をほぐし、こちらへ向かせる、という単純ゲームとしては、「勝った!」という気持ちが否めません。

でも、もちろんその気ははないので、嬉しい半面、困りました。

出るしかないと思い、時計を見たり出るそぶりをすると、それを制するように良介さんは、「あかねちゃんは、どうすると、感じるの……?教えて……?」と耳もとにささやいてくる。そこで私は「そっすねー!えーっと、***っすねー!ええ***っす!!」と、松野明美テンションMAXで対応しました。

盛り上がってしまった男性から逃げたい場合、松野明美テンションになることが一番効果的です。ここで、「え……っ?!」とか顔を真っ赤にしてうつむいて黙ったり、「な、なに言ってるんですか?!も、もうッ」とかっつって、プイってやったら、負け。餌食です、やられちゃっても文句言えないのです。

しかし、良介さんはこの数十分もお金を払って、私と会話しているのです。彼は負けなかった。 今度は、「そっかぁ……。そこをどうされるといいの……?教えて……?」と、ティーチ・ミー攻撃を繰り出してきます。

私「まあ、普通ですよ。普通にされればね!ええ!」

良介「ソフトタッチみたいに……?こう?」

そう言って、耳を触ろうとしてきた!私は即座にパッと避け、「今日は急いでるんで、今度、また来ますんで! また今度会いましょう!ここには何曜日に来てるんですか?!」と早口で尋ねました。それに対して良介さんは、「そんなに来ないよ。今日じゃないともう会えないよ」と、契約を煽る不動産屋のように、『今すぐ実行』をアピールします。

正直、困りながらも私はかなり楽しかった。松野明美で回避しながらも、久しぶりに「女扱い」されたのが、面白かった。

私は、モテるタイプの女ではない。それを自覚しているので、男性の前でエロ話などをして、中性的なキャラクターを敢えて振舞うことで、「モテない理由」を自分で先に作り、現実から目をそらしてきた。

そんな、言葉を変えると、「女を捨てている」私のようなタイプであっても、女というだけで、ちゃんと女扱いをしてもらえる、というのが出会い系の大きな特徴のひとつだ。

私はプライベートで出会い系をやろうとは思わないが、通う人、ハマる人の気持ちが分からなくはない。実際、あまりモテない女性が、ここに来て男性との駆け引きの面白さにハマり、この店で知り合った男性100人と関係を持ったという話も聞いた。

男性が複数の女性から、「あなたとしたい」と思われたり、そういう意思表示をされるのは、往々にして「男として喜ばしく誇らしい」ことである。自慢になる。

だが、女性が男性にそう思われることは、喜ばしい場合ではないことも多くある。特に、こういう場所でのお誘い、なんていうものは、女として嘆かわしい出来事のひとつであると、言い切れる。

だが私は、良介さんに口説かれて、とても嬉しかった。

喜ぶようなことではない──。そう頭で分かっていても、お店を出て1人で歌舞伎町を歩きながら、顔がニヤけてしまってしかたがなかった。