出会い系の壁、今年末から崩れる?
「日本人のオンラインマッチングへのニーズは高い」と、同社の桑野克己・日本カントリーマネージングディレクターは確信する。Match.comの国内月額料金は、世界中の同社サービスで最も高額だが、国内ユーザーの継続利用期間は世界一長く、ニーズの高さを裏付ける。
しかし普及率はまだまだ。ネットユーザー1人あたりのマッチングサービス(出会い系含む)平均利用金額は米国の3分の1。その半分以上を携帯電話向けが占め、PC向けの利用率は微々たるものだ。“出会い系”への抵抗感が成長を阻んでいる。
「アメリカでも以前は、マッチングサービスへの抵抗感が強かった」(桑野氏)。2001年ころから大手ポータルがMatch.comと提携するなどして次々にマッチングサービスに参入。信頼感が高まってブームが起き、2003年にはオンラインコンテンツ市場をけん引する規模に成長した(関連記事を参照)。
日本でもポータルやISPがマッチングサービスの収益性に目を付け始め、今年末ころからブームになりそうだという。背景にあるのは、ネットコミュニティへのニーズの高まり。桑野氏によると、コミュニティサービスを導入したいISPやポータルは多く、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)とマッチングを天秤にかけるケースも少なくないという。
ビジネスモデルが確立していない無料のSNSと違い、マッチングは月額課金制。ユーザー数に比例して確実に収益が見込めるのがメリットだ。
Match.comの収益性は特に高い。利用料金が比較的高額なのに対して管理コストが低いためだ。日本支社のスタッフは5人。サーバは米国で、サポートは豪州で日本語ができるスタッフを雇って運用。グローバルサービスのスケーラビリティを生かしてコストを抑え、利益を提携企業と分け合う。
同社は国内で既にMSN、AOL、Walker Plus、teacup、So-netと提携しているが、現在も複数企業と商談を進めており「大手ISP1社、ポータルサイト1社と、1-2月から新たにサービスを始める予定」(桑野氏)。サービスの入り口を増やし、ブランド力と安心感、収益性を高める。提携企業と協力して「出会い系」ではなく「マッチング」サービスとアピール。マイナスイメージ払拭も急ぐ。
加えて、恋愛観などをユーザーに聞くアンケートも定期的に発表し、「恋愛といえばMatch.com」とのイメージを定着させる。米国ではこの戦略が奏功し、ブランド力が向上。恋愛だけでなく、シングルの男女に政治・社会的な意見を問うアンケート依頼を受けるなど、調査の質にも定評がある。
トップに立ち続け、高い収益性をキープ
PC向けマッチングサービスでは国内売り上げナンバーワンという同社。国内のマッチングサービスは「Yahoo!パーソナルズ」「エキサイトフレンズ」「livedoorアミーゴ」など大手ポータルが無料から数百円の低価格で展開。結婚相談所なども参入しており、競争は激しい。
「マッチングサービスはオークションやECサイトと同じ。ビジネスモデルは単純で、多くの事業者が参入するが、最終的には大手3社ほどに集約され、トップ1社が一番儲かる構造になる」(桑野氏)。同社は信頼性とブランド力でナンバーワンを堅持しつつ、携帯電話向けサービス参入も視野に入れ、国内展開を進める。